{ * Script[inc] *}

ブランパンシリーズ、2019年からさらに拡張へ

コラム

(2018/11/10)

ブランパン耐久シリーズ(Blancpain Endurance Series)。アマチュアドライバーを意識したモータースポーツイベントとして知られるこのレースが、来年度からさらに拡張する。GT3車両を用いて戦うこのカテゴリーは、今や世界中でシリーズ化として拡張の一途をたどり、アマチュアドライバーのチャレンジ精神をくすぐり続けているようだ。

・ブランパンの歴史
ブランパンGTシリーズの管轄は、SRO(ステファン・ラテル・オーガニゼーション)。スイスの高級時計ブランドとして知られる”ブランパン”がシリーズのタイトルスポンサーだ。シリーズ発足は2011年。スタート当初はアマチュアドライバーのレースイベントだったため、いわゆるローカル色の強いレースだったが、ブランパンがタイトルスポンサーとなった2014年を機に、ネームバリューのあるレースイベントとして”変身”。潤沢な参戦費を用意できるアマチュアドライバーがプロドライバーとコンビを組み、耐久レースに参戦する姿が今やスタンダードなスタイルとなっている。

ブランパンが広くアマチュアドライバーに浸透するようになった背景には、プロドライバーをメインに、かつ専用のレーシングカーを使用していたFIA GT1等の世界選手権レースが斜陽となったことが挙げられる。これに対し、GT3車両はお金を出して買うことができるレーシング車両。例えるなら、紳士服の既成品スーツとでも言おうか。オーダーメイドのスーツはプロ専用のレーシングカー。残念ながらアマチュアドライバーは購入不可であるため、購入可能なGT3を使用するレースに人気が集めることに拍車をかけた。

この流れを受け、FIAタイトルのついていた世界選手権も形を変えることを強いられた。まず、2014年にはスプリントレースのFIA GTシリーズが「ブランパンGTシリーズ」へスイッチ。スプリントに限らず、耐久レースも合わせてシリーズ化された。結果、ヨーロッパのサーキットを中心とするシリーズは人気を博し、レースイベントとして認知されることになった。それ以降、シリーズレースとしての地位を確率、スプリントレースと耐久レースがそれぞれカップレースとして名称を変えて変更する勢いを見せている。

・日本でも人気上昇中
ヨーロッパでのイベント開催で成功を収めたシリーズ戦。次なる舞台として2017年にはアジアシリーズが発足する。「ブランパンGTシリーズアジア」と名付けられたシリーズ戦もまた、ブランパンというネームバリューによって人気が高まった。それまでの間GTアジアとして開催されていたレースが、”バージョンアップ”したような形でブランパンGTシリーズアジアとなり、また箔をつけるかのように、参戦するプロドライバーも増えている。2019年には韓国での一戦も実施予定という。

もともとアマチュアドライバーによるプライベーターのレースというイメージだったものが、今ではすっかりプロドライバーによるセミワークス・チームの参戦も珍しくない。スプリントカップと耐久カップの両カップにエントリーするチームも現れており、今やワールドワイドで開催されるビッグイベントへと成長したのは言うまでもない。

そしてついに、北米のピレリ・ワールドチャレンジがブランパンGTシリーズの仲間入りを果たすこととなり、結果、グローバルなGTレースが誕生する。今年、富士スピードウェイにて開催された24時間耐久レースなど、今、世界のサーキットイベントでは耐久レースの開催が増えつつあるだけに、日本国内の耐久レースという枠を超え、イベント開催の実現を意識した上での今後の動向がとても気になるところだ。

過去のニュース記事