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原付き免許で125ccバイクが運転可能に!?

コラム

(2024/11/20)

クルマ関連のあれこれをお届けするこのコラム。今回は、”エンジン”という共通点に則って、4輪ではなく2輪関係のニュースをお届けしたいと思う。普通乗用車をはじめとする運転免許証を所有する人であれば、運転可能な50cc以下のバイク。いわゆる「原付きバイク」が排ガス規制のあおりを受けて生産ができなくなるが、これに合わせ、免許所有者は125ccバイクの運転が可能になるという。どういうことか、説明しよう。

・どうなる!? 50cc原付バイク
今年8月30日付で警察庁から道路交通法施行規則の改正案が発表された。この背景にあるのが、排ガス規制だ。2025年11月以降、排ガスの規制基準が強化されるにあたり、50ccのバイクが生産終了を迎えるのだが、その理由として、新たな排ガス基準への適合が極めて難しいことが挙げられる。現状、50ccバイクの国内販売台数は、下降気味。1980年ごろは軽く198万台を誇っていたが近年はその1割にも満たず、なんと2022年の時点で13万台まで減少しているとのこと。このような市場を考慮すれば、おのずとメーカー側も新たな排ガス規制に則った50ccバイクのエンジンに、開発の費用をあてがうことも難しいと考えるのも当然のことではないだろうか。市場の反響が大きければ、規制に適合したエンジンを新たに手掛けることもやぶさかでないだろうが、開発費がかかった分をバイクの価格に上乗せすることとなり、”手軽な原付き”ではなくなってしまう。結果、メーカーは原付バイクの製造を”手放す”という選択をしたという訳だ。これにより、普通自動車免許で乗ることができるバイクは姿を消すものだと思われた。

現在の予定では、2025年11月をもって生産終了とアナウンスされるが、メーカー側は依然として終了時期を正式には発表していない。また、2025年11月の施行開始に合わせて、現在使用中の原付きバイクに乗れなくなるわけではない。新しく生産されないだけで、現存するバイクに不備がない限り、利用は可能であることを覚えておいてほしい。もちろん、中古車両として購入することもできる。

・制限付き125ccバイクとは!?
現状の50ccバイクの最高速度は時速60km。原付きバイクを存続させるため、制限速度を時速30kmに落とせば、新たな排ガス基準の適用外となるため、OKだという声もあるだろう。だが、設計速度そのものが下がると、パワーダウンは必至。このため、坂道を登ることが難しくなる状況が考えられるとして、メーカーは難色を示したと言われている。

とはいえ、やはり手軽感から一定のニーズがある利用者をみすみす逃してしまうなどとは言語道断。そこで一考されたのが、125ccまでのバイクに対して現在の50cc相当である4kWの出力制限を設けた新たな原付きバイクの基準を設けることだった。この手法であれば、既存の125ccまでのバイクを活用した”新・原付き”を提供することが可能となる。試作車のインプレッションでは、最高出力は制限されているとはいえ、発進加速などは従来の原付きよりも向上しているため、よりゆとりをもった走りが可能になると言われている。

メーカー側も、新たな市場開拓を目指し、50cc原付きのようなスクータータイプはじめ、ビジネスバイク、さらにはいわゆる”オートバイ”の外観ながら、出力制限を施した車両の開発にも着手しているとのこと。この場合、110~125ccの二輪車をベースとした車両での開発を進めていくのではないかと考えられる。いわゆる”普通二輪”と言われているオートバイの新タイプが登場すれば、それに憧れて乗ってみたいと思うユーザーも出てきそうだ。

・125ccだが、既存車の運転はNG
道交法改正により、125ccまでのバイクを運転できることになるわけだが、あくまでも”新基準”に則ったバイクに限定されるということを決して忘れずに。公道でのルールも現状と変わらない。法定速度は時速30kmのまま。車道の一番左車線を走るのが決まりであり、走行している道路が3車線以上の場合、交差点で右に曲がるときには基本的に車線変更をせず2回信号に従って右折する「二段階右折」をしなければならない。もちろん、二人乗りも禁止。高速道路も乗ることは認められていない。同じ125ccバイクとはいえども通常の出力があるバイクに乗れば、それは無免許運転の扱いとなる。原付きバイクに変わる新たな1台を購入する際には、新基準に則ったバイクを購入する必要があることを、しっかり念頭に置くことが必要であることを覚えておいてほしい。

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